「誰がが追いかけてくる」
「逃げなきゃ、遠くに」
「父と母と、犬も一緒に遠くへ引っ越すんだ」
「ブログの中でオリジナルキャラがイマジナリーフレンド化する」
「オリジナルキャラの暴走」
「早く遠くへ!」
「スマホも時計も免許証も要らない。追尾されるから」
「警察は信用ならない」
「警察はうそつき」
「警察は監視している」
「早く!!」
「持ち物は現金と地図とコンパス、それとカッパ」
「それだけでいい」
「親と喧嘩した。旅のきっかけだ」
「それじゃ、行ってくる」
「知ってる町で知ってる駅の電車に乗る」
「数十キロ離れたそんなに知らない駅で降りる」
「公園にたどり着く」
「寝袋はある。ここのトイレで一晩過ごすか」
「夜も更けてきた。寒い。寝れない」
「誰か来る…!」
「カツ…カツ…」
「トイレの前でだれかウロウロしてる…!」
「シャーー。ガラガラ…ぺっ」
「トイレの水でうがい…?!」
「ウソだろ…!!」
「カツ…カツ…」
「行った…」
「不安で眠れない」
「それから、数時間」
「まだ外は暗いけれど、もう行こう」
「トイレを出て歩くこと数時間…」
「おかしなことに気づく」
「後ろから追い越していく車の間隔が」
「ちょうど一分」
「何台も何台も、ちょうど一分ごとに追い越してゆく」
「何かがおかしい」
「そして朝」
「知らない町に着く」
「ここはどこだろう、駅を探さなきゃ」
「しばらく迷って、やっと小さな無人駅へたどり着く」
「一時間くらい待っていると電車が来た」
「それに乗り込む」
「周りの景色はは畑でいっぱい」
「地図で今いるところを確認する」
「電車がいつまでたっても着かない」
「どういうことだ」
「…!!」
「さっきから同じところをぐるぐる回っている…?!!」
「車掌さんに聞いてみよう」
「いつ、次の駅に着きますか?」
「もう着きます」
「プロデューサー、気づいたみたいですよ」
「プロデューサーって、なんのことだ…?!!」
「なんだ、この電車は…?!」
「知らない町の知らない駅で降りる」
「あ…れ…?」
「どうして…自分は…ここに…」
「紙にうまく字を書こうとしても書けない」
「ここはどこだ」
「人が誰もいないのに車だけがすごく走っている」
「歩かなきゃ」
「どこへ?」
「記憶が薄れていく」
「どれくらい歩いたか」
「だいぶ日が暮れてきた」
「坂の向こうからたくさんの学生が自転車でこちらへ向かってくる」
「楽しそうな学生たち」
「声が聞こえる」
「サイレンの音も」
「黒い箱型の車が走っている」
「その車は、神は唯一一つです、と放送を流している」
「なんだこの車は」
「今はいつの時代だ」
「自分を見た学生が立ち止まる」
「怪訝そうな顔をして手を横に振っている」
「それ以上行くな、って意味か」
「なぜ?」
「自分は行くぞ」
「丘を進んでいくとおかしなことに気づく」
「まぶしい…」
「なんだこれは…今何時だ」
「…!!」
「太陽が…あんなに高く…!!」
「なんだこれは…幻覚か…?!」
「意識がもうろうとする…」
「自分は頭がおかしくなったんだ」
「声が聞こえる」
「それ以上進めば〇す。戻れ」
「それ以上進めば、〇す。戻れ…!!」
「立ち止まる」
「恐怖に勝てない」
「もと来た道を引き返す」
「すると、声は聞こえなくなった」
「また歩き出す」
「もう何十時間も歩いている気がする」
「ものすごく疲れているけれど、お腹もすかないし、トイレも行ってない」
「あたりは真っ暗に」
「急に暗くなったな」
「意識がもうろうとする」
「陸橋の上で休むことにする」
「道路を走る大量の車の光」
「何千台…何万台…」
「いつの間にか意識を失う」
「長いトンネル…苦しい…」
「苦しい…息が…」
「…」
「どれくらい時間がたったか」
「もうやめてくれ!!!!」
「自分の声で目が覚める」
「ここは陸橋の上。何も変わっていない」
「どるるるるうぅん!!!!」
「陸橋の上から音のするほうを見る」
「そこにいたのはチェーンソーを持った男だった…!」
「なにを…する気だ…!」
「そして、反対側には銃を持った男が」
「あ…あ…」
「恐怖でうずくまる。動けない」
「陸橋の下から笑い声」
「燃えてる、燃えてる、けむいー」
「そうか…家が…」
「お父さんも…お母さんも…」
「ああ…俺は…なんでも分かるようになったんだな…」
「つまり…お父さんと…お母さんは…」
「もう…いないんだ…」
「記憶をさかのぼる…」
「俺のせいで…家がみんな…」
「恐怖で動けない」
「これが地縛霊か」
「たしかに真っ暗闇だ」
「もう歩かないと。動けなくなる」
「地図とコンパス以外、みんな荷物を捨てた」
「地図で警察署の位置を確認する」
「一歩一歩あるく」
「何千、何万台の車の光」
「警察署の明かりが見えてきた」
「警察署へ入る」
「出てきたのは警官二人」
「電話をしたいんです」
「????」
「それと今の時間を教えてください」
「????」
「お願いです!!」
「だめだ。ここには電話も時計もない」
「?!!!」
「いますぐ、ここから出ていくように」
「あ、あの…!」
「警察、なめんじゃねぇぞ!!」
「あっ…ああっ!!」
「警官が三人がかりで自分を押し倒す」
「首とひじと膝を90度に曲げられて動けなくされた」
「それじゃやっちゃいますか!!!!」
「!!!!!」
「待ってください…!〇さないで!!!!!」
「まぶしい光」
「泣き叫んでも泣き叫んでも力が緩まることはなかった」
「そして」
…
…
…
と、いう小説だ。
小説だよ、小説。
わはは。
いやーしかし。
あの世に行っても、
死んだことすら気づいてなかったら、
あの世に行っても分かんないよね。
わははは。
お前、何もんだよ!!!!
おわり。